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Born into Brothels

今日はBorn into Brothelsという映画を見ました。
アカデミー賞受賞作品なので、もうすでに見られた方も多いかと思います。
インドの売春宿に生まれ育った10~13歳ぐらいの子供をテーマにしたドキュメンタリー映画です。

この映画の良いところは、子供たちの生活の悲惨さを訴えるだけで終わるのではなく、子供たちに生きる力を与えて、教育を受けさせて、その世界から脱出する手助けをしているところです。

この映画の共同Directerであり写真家でもあるZanaは、風俗街に暮らす8人(本編に登場しない子が一人いるので実際は9人)の子供たちのために写真教室を開いています。
子供達一人一人にカメラを渡し、それぞれの目線で写真を撮らせます。そして後から、好きな写真、嫌いな写真を選んで、Zanaと一緒になぜ好きなのか、どうしてこういう写真を撮ったのかというような話をしていきます。

この子達は貧乏でちゃんとした教育も受けられませんし、すでに売春させられている子もいます。自分達が置かれている状況を冷静に捉えていて、このまま大人になってもろくな未来が待っていないこともわかっています。周りにいる大人達は彼らを汚い言葉で罵り、叩き、そして働かせます。父親は麻薬中毒、母親は売春婦。そんな家庭です。

それでも子供達はすごく元気で明るく暮らしています。将来は絶対にこの状況を抜け出してやると強い気持ちを持ってる子もいるし、類い稀な芸術の才能を持った子もいます。

そんな子供たちと暮らす毎日の中で、Zanaは何とか子供達の力になろうとNYで個展を開きます。そして、Kids With Cameraという非営利団体を立ち上げ、子供達の教育費用を捻出するための資金集めに奮闘します。
資金だけではなく、実際に子供達を受け入れてくれる学校も探します。なかなか素直に受け入れてくれる学校は少ないのですが、それでも何とかほとんどの子を学校に入れることができます。
いろいろな家庭の事情もあり、親が子供を学校に取られるのを嫌ったり、連れ戻したりもします。

本編はここら辺で終了するのですがDVDの特典映像には、3年後の彼らの元気な姿も収録されています。
みんな3年前入った学校とは違う子もいるけど、一応学校には通っていて売春をしていた子は、もうしないで済んでいるようです。英語を話せるようになった子もいます。アメリカの高校に入学許可された子もいます。

写真や、映画で得た収益や寄付はそのまま彼らの親に渡すわけではなく、彼らの教育目的に使われるようにちゃんと管理されているようで、彼らが望めば国内の大学でも、NYの学校でも生かせてあげられるだけの資金はあるようです。

この8人はほんの一部の子達でしょうし、Zanaという人に出会えて人生が大きく変わったある意味幸運な子供達だと思います。他にも日の目を浴びず、依然貧しい生活をしている子は沢山いるはずです。実際本編には登場しない9人目の子もいますが、彼女もきっと親の激しい反対か何かに会って、途中で姿を消してしまったのだと思います。

多分彼らがさらに成長して、3年後、5年後などにその後の撮影がされると思いますが、元気に育ってもらいたいと思います。

僕はZanaを手放しで賞賛する気はありません。アカデミー賞の授賞式できれいにドレスアップして、受賞をもう一人の監督Rossとキスをしながら喜ぶ姿を見て、あー、この人達はこの作品を作って有名になるために子供達を利用したのかなぁとも一瞬思いました。それでも子供達が良い教育を受けられて、児童売春の問題が世界的に知れ渡る貢献度を考えれば、彼らの作成真意などどうでもいい気がします。そして彼らが有名になることで、さらに慈善活動がし易くなるなら、それもありなんじゃないかと。少なくとも大統領の跡を付け回して面白おかしく批判するドキュメンタリー映画よりは意義があると思います。

最悪の環境で強く明るく生きる子供達、それを支える善意の大人達。
自分が同じことをしようとか、単に寄付しようとかそういう風には思いませんが、
自分が人の為にできることは何か無いのか?
なかなか考えさせられる映画です。
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by guide289 | 2006-01-20 20:52 | 映画